よく発生される問題

  • 切削液に関する
  • よくある問題

切削オイル(液)の作用

1、冷却性   ツールの軟化及び加工物の過熱を防止し、ツールの使用寿命及び加工物の加工精密度を高める。

2、潤滑性  切削力を減少し、ツール、加工物及び切り屑三者の間の摩擦を減少する。

3、設備及び加工物に対する保護性  設備及び加工物が腐蝕されなく、一定の保護作用がある。

 

切削オイル(液)の種類

1、非水溶性切削オイル 水で希釈する必要がなく、直接使用する油剤。

2、水溶性切削オイル 大量の水で希釈した後、使用する油剤

 

非水溶性切削オイルの組成

   鉱物油、脂肪油、硫黄含有極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、消泡剤、非鉄金属防錆添加剤、オイルミスト抑制剤など。

 

水溶性切削オイルの組成

   鉱物油、脂肪油、脂肪酸、極圧添加剤、界面活性剤、アミン、無機塩、有機防錆剤、無機防錆剤、非鉄金属腐食防止剤、防腐剤、消泡剤、水など。

 

非水溶性切削オイルの測定項目

   粘度、引火点、流動ポイント(Pour point)、脂肪含有量、硫黄含有量、塩素含有量、銅板腐蝕、水分、スラッジなど。

 

非水溶性切削オイルの管理

管理項目

目的

管理目標値

外観

異物(金属粉、水等)が混入されて使用液が汚染され、変質されたか確認

明らかな変色現象がない

色相(ASTM)

着色の程度を判断

規定無し

密度(g/cm3,15℃)

他油の混入の指標があるか判断

新液密度±0.02

粘度(mm2/s、40℃)

他油の混入、変質があるか判断

新液粘度±30%

引火点(℃、COC)

使用液の中に低引火点の成分(ケロシン)の混入があるかどうかを判断する。

明らかに下がった現象がない

銅板の腐蝕(100℃、1hr)

油剤は加工物、銅合金への影響を判断する(腐蝕程度)

新液と同等

添加剤の量

一次性能の表現により、他油混入量を判断する。

新液中添加剤の量の70%以上

他油の混入量

一次性能の表現により、他油混入量を判断する。

30%以下

水分

加工物への影響(防錆及び防腐蝕)、油剤成分に対する影響(水分解)を判断

0.1%以下

 

水溶性切削オイルの測定項目

使用液の濃度、PH値、他油、防錆性、生菌数、全硬度、塩化物イオン、硫酸イオン(SO42-)等。

 

水溶性切削オイルの管理

項目

管理目的

管理方法

外観

使用液が汚染された程度、変質されたか

目測

匂い

腐敗されたかを判断する

嗅覚

濃度

一次的、二次的な性能の維持

糖度計

pH値

防錆性、変質の程度

pH計pH値の実験紙

他油混入量

変質防止

目測

水溶性切削オイルの原液、希釈水の追加量

使用液の濃度を推定

使用量

潤滑油、作動油の補給量

潤滑油、作動油の混入量を推定

使用量

 

水溶性切削オイルの使用中、問題が発生した際の対策

問題

原因

対策

1. ツールの寿命が下降され、加工精密度が下がっている

1. 加工条件の変化
2. ツールの刃の部分の潤滑が足りなく、機械性的な損耗をもたらした

1. 加工条件、工作物の材質に変化があるか検査する。変化がある場合、最初の加工条件に調整する。
2、集中供給システムのオイルの供給量及び供給油圧に変化があるか検査する。変化がある場合、最初の設定した数字の範囲以内に調整する。まだ問題が解決されていない場合、システムの油剤供給量及び供給油圧を高めにして油剤の供給条件を改善する。
3、使用液の濃度が管理標準値の範囲以内なのか測定し、使用の濃度を推薦濃度範囲以内に調整する。まだ問題が解決されていない場合、なるべく濃度を高めにする。

2. 腐敗のにおいが発生

使用液が腐敗されている

1、pH値、濃度が管理標準値の範囲以内なのか測定し、使用液が明らかに腐敗されている場合、全部換える。若し使用液の状態が取り戻せると、濃度を正常な範囲に調整し、且つpH値向上剤(WH-1、1000ppm)、防腐剤(WB-2、1000ppm)を追加する。
2、他油の混入を検査し、あると除去すべく。
3、同じマシンに腐敗の問題が繰り返して発生される場合、切削液のメーカーに委託して調査を行う。

3. pH値が割合低い

1. 使用液の濃度が低い
2. 使用液の状態が悪化されている

1. 濃度が管理標準値の範囲以内なのか測定する。濃度が低い場合、原液を追加する。濃度が正常でpH値が割合低い場合、pH値向上剤(WH-1、またはWH-3、1000ppm) を追加する。
2. 使用液が明らかに変質または既に腐敗されている場合、上述の対策を参照し実施する。

4. 工作機械の設備、加工物が錆びられている

1. 希釈水だけ追加していて、冷却液の濃度が低すぎた。
2. クーラントが劣化されている。
3. 希釈水の中の塩化物イオン、硫酸イオンの含量が高すぎた。
4. 加工済みの加工物が生産ラインに置いた時間が長すぎた。

1. pH値、濃度を測定し、pH値及び濃度を管理標準値の範囲以内に調整する。
2. クーラントを全部換える。
3. 純水またはイオン交換装置で希釈用水を脱イオン化する。
4. 工作物の表面に工程間防錆剤を塗布する。

5. 濃度が割合低い

1. 水だけ追加し、原液を追加しなかった。
2. 補給液の濃度が低過ぎた。
3. クーラントが劣化されている。

1. 原液の追加記録を検査し、水だけ追加して原液を追加しないやり方を停止する。
2. 補給液の濃度を高くする。
3. pH値、細菌数を測定し、冷却液が劣化されていると全部換える。使用液の状態を回復することが出来ると、濃度を正常な範囲に調整し、pH値向上剤(WH-1、1000ppm)、防腐剤(WB-2、1000ppm)を追加する。
4. 加工現場で頻繁に問題が発生される場合、切削液のメーカーに委託して調査を行う。

6.濃度が割合高い

1. 補給液の濃度が高過ぎた。

1. 水分の蒸発量が多く、補給液の濃度を低く調整する必要がある。

7. 発泡

1. 使用液の濃度が高すぎた。
2. クーラントが劣化され、調合のバランスが破壊された。

1. 油剤の使用濃度を管理標準値の範囲以内に調整し、消泡剤(WF-1,100ppm)を追加する。補給水は純水の場合、水道水と混合した後、発泡現象が制御されるまで追加する。
2.クーラントを全部換える。

8. アルミニウム部品の変色

1. pH値が高く、油剤の使用濃度が高かった。

1. pH値、濃度をもう一度測定し、pH値、濃度を管理標準値の範囲以内に調整する。アルミニウムの変色が改善されない場合、アルミニウム変色防止剤(WHM-20、1000ppm)を追加する。

9. 不溶解物質が大量に発生(スカム)

1. 希釈水の硬度が高すぎた。

1. 脱イオン水を使用する。

10. 塗料の剥落現象が発生

1. 耐水溶性または耐アルカリ性の塗料を使わなかった。
2. 油剤の使用濃度が高すぎた。

1. 塗料を変更する。
2. 使用濃度を下げる。
3. クーラントタンク裏の表面には塗料を塗布しないこと。

11. 皮膚アレルギー現象が発生

1. 作業者が保護手袋をしていなかった。
2. 濃度、pHが高すぎた。

1. 労働防護用品を着用すること。作業者が切削液との接触頻度が高い場合、作業後必ずハンドクリームを擦ること。
2. 使用液の濃度を管理標準値の範囲以内に調整する。

  





用語について


PHとは?
水溶性液体の酸性、塩基性の強弱の表示である。7.0は中性で、これより数字が小さければ小さいほど酸性が強く、これより数字が大きければ大きいほど塩基性が強い。水溶性油剤、pH8~10の弱塩基性の物質は殆ど腐敗の深まりに従い、pH値は低くなる。だから管理目標値があるものである。


濃度%と倍率の差異
倍率とは原液がどの程度まで希釈されたのか鋿指すもので、濃度とは「希釈液中に原液がいくらなのか」を指すものである。例えば、2Lの原液を水で100Lまで希釈すると、これの倍率は50で、濃度は2%である。倍率=100/濃度 濃度=100/倍率


合成油とは?
はっきりとした定義がなく、多くの場合synthetic (=化学合成)と言われ、合成潤滑剤を主要成分とした油剤である。良好な浸透性、冷却性、及び潤滑性がある。


エマルション、ソリュブル、ソリューションとは?
原液が水に溶解された後、白色の混濁状態を表すとエマルションで、透明感状態ならソリュブルである。無機または有機の阻害剤の主要成分が水に溶解された後、透明状態ならソリューションと呼ばれる。


使用について


希釈水と切削オイルの原液と、どちらを先に注ぎいれて混合するのか?
原液を水に入れて充分攪拌した後溶解させる。逆だったら溶解の不均一の状況があり得る。


非水溶性→水溶性の時の注意点

  1. タンク、配管、及び機械の周りの残留オイルに注意する。
  2. スイッチなどの電源をオフにする。
  3. 供給ポンプの注入システムを設定する。


 異なる切削オイルは混入して使ってもいい?
基本的には混入使用しない。やむを得ず混入する場合、サプライヤーに聞くこと。
オイル水分離装置から回収したオイルは再利用可能?だめである。トラブルが起こるかもしれないので、供給プールに入れないこと。


日常管理をどのようにする?

1、濃度管理。毎日一定の倍率で追加する事を推奨する。
2、可能であればPH値を測定し、有効に管理すること。
3、管理の便宜の為、水及び原液の追加量を記録すること。


 アルミニウムまたは鋳物などの異種金属屑が混入されても構わないのか?
混入禁止。異種金属の混入により、水分と接触すると水素が発生されやすいので、火災の危険性がある。


油剤の保管方法
日光の直射を避け、日陰のところに置く。冬には温度の低い所から避ける。特別に注意すべきことは、水等の異物混入を防止すべきこと。


使用上の問題

いくら原液を入れても錆びる。どうしたらいいのか?

1、濃度が下がったかもしれない。濃度が適当であるかを確認。
2、混合不良または分離されているかもしれない。充分攪拌されているかを確認。
3、錆を促進するアニオンが溜まっている可能性がある。使用液を検査すること。


何故使用液タンクの表面に豆腐状態の物質が浮いているのか?
希釈水の硬度(性状)の影響により、金属石鹸が発生する可能性がある。水質を調査し、適切な油剤を選ぶこと。


何故切削オイルをイニシャル場合、茶色の油状物質が産生されるのか?

1、油剤が完全に溶解されていない。充分攪拌する。
2、防錆油などの他油が混入されたかを調べる。


鋼板の表面に調圧液の痕跡がある。どうする?

1、エアプロー不良、パージ圧力を調整する。
2、流量が強い場合、流量を調整する。
3、濃度が高い場合、濃度を調整する。

 
調圧する場合、鋼板が錆びられる。どうする?

1、濃度が低いなら、濃度を調整する。
2、水質の変化があるなら、水質を調整する。
3、エアプロー不良の時、パージ圧力を強くする。


アルミニウムが黒くなる。どうする?

1、良好なアルミニウム変色防止功能のある油剤を使う。
2、濃度を適当にする。
3、加工後すぐ製品をクリーニングする。
4、変色防止剤を添加する。


作業者は手荒れが発生した場合の対策は?

1、油剤に接触した直後、必ず手を洗うこと。
2、作業前、ハンドクリームを擦る。
3、防護手袋を着用する。常に防護用具をクリーニングする。
4、体質の問題の場合、作業人員を換える。


調圧する時に洗浄不良が発生する場合、どうする?

1、原料に残留量が高過ぎる場合、その残留量を制御する。
2、調圧液の流量が低減する場合、調圧液の流量を調整する。
3、スプレー圧力が弱い場合、圧力を強くする。
4、鋼板表面に鉄粉が発生する場合、濃度及び流量を調整する。


調圧する時鋼板にステインが発生する場合、どうする?

1、原料の清潔度が良くない場合、原料の清潔度を改善する。
2、出口のエアプローが良くない場合、そのエアプローの効果を改善する。
3、材料供給の温度が高い場合、材料供給の温度を40℃以下に抑える。


連休が終わった後変な匂いがする。どうする?

1、徹底的に濃度を管理する。
2、防腐剤を添加する。
3、耐防腐性が優秀な油剤を使用する。


マシンの塗料が剥落される。どんな塗料を使用すれば良い?または剥落されない油剤があるのか?
普通の状況で、浸透性の良い水溶性切削オイルは、塗料を剥落されやすくする傾向がある。合成樹脂系などの二液硬化型塗料または発熱膠着塗料を使用するのを進める。

何故マシンの観察窓にひびが発生するのか?
水溶性切削油剤は、マシンの観察窓を主とするアクリル系樹脂の部品に強い影響する成分を含有している。


ゴムとシール材、どちらが良いのか?
普通、HNBRまたはフッ素ゴムが割合良い。しかし、全ての油剤に対応できるゴム及びシール材はない。異なるメーカにより、異なることになるので、使用する油剤の適合性を確認する必要がある。


発泡時の対応方法。

1、濃度が適当なのか確認し、濃度が高い時調整する。
2、濃度が適当な場合、脱泡剤を使う。
3、設備による原因があるか確認する。
4、脱泡性の良い油剤を使うこと。


変な臭いをする問題に対する通風措置、大丈夫なのか?
好気性細菌の繁殖及びPH値の下降をもたらすので、通風措置は避けるほうが良い。


廃棄について

切削液をどう廃棄する?
各油剤の廃棄方法はそれぞれ違う。処理できるかどうかの判断に基づき、自社で処理するか専門機構に委託して処理するかを決める。未処理の油剤が下水道または河川に流入するのは禁物である。



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